ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。~フミコフミオ 著~を読みました。
僕がツイッターを始めたころ、タイムラインに彗星のごとくあらわれた方々の一人、ブロガー フミコフミオさんの著書。はてなブログで繰り広げられる、シリアスとユーモアを軽やかに書き分ける柔軟な文体と視点。ぐるなびの食レポで見かけた、内容や媒体が変わってもこの人が書いたとわかるほどのオリジナリティー。字書きモンスターかと思う。内容は各々チェックしてもらいたい。ほんとに。
僕が知るところでは、三冊目じゃなかったかな?その中でもブログ番外編というか、個人的にこういうのを読みたかったというおすすめ本。
そう、僕らは勤め人。意識高いビジネス本とかよく読むけれどああいう風には生きられていない。正直、現実逃避っぽい目線で読んでいる。上司の指示にも嫌々ついていくこともあるし、理由はわからないが偉いとされる人に従ったりもする。面倒な会社の仕来りから逃れよう!フリーランス!起業!自分らしい生き方を!なんて居酒屋の片隅で思ったり。そしてまた、翌日には同じ職場に向かうのだ。だけど、そんな毎日だって悪くはないだろ?って言ってくれているような。
日常の中にあるふとした幸せに目を向けたり、ちょっとの心がけで毎日が楽しくなるのかもしれない。手の届く範囲の幸福をかみしめる、それを積み上げてちょっとだけ高い幸せを目指す。
アスリートがすごいのは、一般人ではできないことができるから。誰もがそこだけを目指していたら敗者が山積みディストピア。そんなアスリートにだって諦めた夢があるのかもしれないし。
努力を重ねる途中で「これはだめだな」と思えば方向転換してもよい。ほかのことの方が向いているのかもしれないから。
努力は大事。柔らかく生きることはもっと大事。
誰かが「やり始めたことを途中でやめる、ということにもっと寛容でありたい」って言っていたな。うん。
そんなことを思った。
感想は僕フィルターが入っているのでちょっと重いかもですが、本書はいたって軽やか、コミカル。日本人勤め人におすすめします。是非是非。