小さいモニターから。10〜またまた娘の話。〜

娘がバイトを始めるらしい。

お金が欲しいとか理由は単純なものなのだろうけれど、新しいというか、今まで体験してこなかったことに挑戦する事はとても嬉しい。欲しい物を買ったり、仲のいい友達と出かけるためとか、理由はどうであれ。

今まで経験したことのない人間関係や、使命感、自分にとってのメリットやデメリットを全身で学べる良い機会だと思う。

夢のない話になるけれど、アルバイトをしてお金を手に入れて、自分の欲しい物を手に入れるという事は、あまり好まない事をして、自分の好むものと引き換えるという事。目標の為には往々として代償があり、そのバランスを自ら測るという事。極々まれに、好きな事をだらだらやっているだけでお金が手に入る人達もいるけれどそれはとても稀な例。自分がその仲間に入る事を想定する事はとても不幸な事。叶わない夢物語。

好きな事だけしている人たちだって、その好きな事に付随する何かしらをこなしている事がほとんどだと思う。ある程度こなせる困難を自分の感覚で感じて欲しいと思う。アルバイトが続かなくても構わない。やった事に意味がある。ゼロとイチでは全く違うのだ。

ピアスを開けると言った時も少しも嫌な感情はなかった。お年寄りが嫌うような髪の色を染めたいとか他にもいろいろやりたい事はあると思う。僕はなるべく止めないようにしようと思っている。やってみないとわからんのだ。最終的に自分が責任を取るというか、後悔する可能性がある事は話す。だけれど、後継してみないと反省はない。

僕ら親ができる事は、失敗した時のフォローなのだ。自分の子がやりたい事を口にするようになった時、止めるのではなく、経験として身につくようなフォローをしたいと思っている。

もし、その「やりたい事」が、僕らから離れたいと言うことだったとしても。